先日、入院することになりまして。
簡単な手術ではあったのですが、全身麻酔と聞くと、やはり「万が一」という言葉が頭をよぎります。
そこで私は、入院の前に、主人に3つのリストを共有しました。
銀行口座の一覧。クレジットカードの一覧。そして、サブスクの一覧です。
一覧は紙ではなく、Googleドライブで作成しているファイルです。主人にも見られるように共有しました。
そして今回、私の分だけでなく、主人の銀行口座、クレジットカード、サブスクについても同じように一覧を作りました。
入院がきっかけではありましたが、結果的に夫婦二人の情報を整理する機会になりました。
今日は、なぜそれを共有したのか。実際にやってみて、どうだったのか。そんなお話をさせてください。
遺言書はある。でも、それだけでは足りなかった
相続コンサルタントという仕事をしていることもあって、私は遺言書を書いています。
だから、「もしものときの備えはできている」——そう思っていました。
でも、入院を前にして、あらためて考えてみたのです。
もし私が急にいなくなったら、主人は困らないだろうか、と。
そして、気づきました。
私の遺言書には、「誰に何を遺すか」だけでなく、遺言書を作った当時の銀行口座についても記載しています。
ところが、その後、生前整理を進める中で、使っていない銀行口座をいくつか解約しました。
その一方で、仕事を始めたことで、事業用の銀行口座も新しく作りました。
つまり、遺言書を書いたあとも、実際に使っている銀行口座や契約内容は変わっていくのです。
今、どの銀行に口座があるのか。
どんなクレジットカードを使っているのか。
毎月どんなサービスを契約しているのか。
そうした日々の暮らしに関する情報は、遺言書とは別に、今の状態が分かるように整理しておいた方がいい。
今回、入院を前にして、あらためてそう思いました。
銀行口座やカードを減らしたのには、理由があります
私が銀行口座やクレジットカードを少なくしているのには、理由があります。
きっかけは、両親の相続でした。
相続手続きをする中で、銀行口座の確認や解約、クレジットカードの解約などを一つずつ進めました。
これが、思っていた以上に時間も手間もかかりました。
その経験から、
「自分のときは、家族にできるだけ同じ思いをさせたくない」
と思うようになったのです。
使っていない銀行口座は減らす。
クレジットカードも、本当に使うものだけにする。
持っているものが少なければ、その分、残された家族が確認したり、手続きをしたりするものも少なくなります。
両親の相続を経験したことが、私自身の生前整理につながっています。
共有したのは、この3つ
今回、主人に共有したのは次の3つです。

①銀行口座の一覧
現在、私が使っている口座は3つです。
個人用、事業用、そしてネット銀行が使えない場面のためのメガバンク。
一覧には、金融機関名と支店名まで書いてあります。
口座番号や暗証番号、ネットバンキングのパスワードなどは書いていません。
まずは「今、どこの金融機関を使っているのか」が主人に分かるようにしました。
②クレジットカードの一覧
クレジットカードは2枚です。個人用と事業用。
昔はもっと持っていました。
ポイントが貯まるから、入会特典があるから——そうやって増えていったカードを、少しずつ整理してきました。
今は、実際に使っている2枚だけにしています。
一覧には、どのカード会社を利用しているのかが分かるようにしてあります。
③サブスクの一覧
これが、いちばん今の時代らしいリストかもしれません。
動画配信、音楽、クラウドサービス、ソフトウェア……。
月額や年額で契約しているものを書き出しました。
そして、ここでひとつ工夫をしました。
それぞれ、どの方法で支払っているのかも書いてあります。
「これはカード払い」
「これは銀行引き落とし」
といった具合です。
なぜかというと、解約や確認が必要になったときに、どこを確認すればいいのか分かりやすくなるからです。
サブスクは、本人しか把握していないことも多いものです。
解約手続きをしないままでは、家族が知らない契約の請求が続くこともあります。
私に何かあったとき、家族が「これは何の支払いだろう?」と一つずつ調べることになるのは避けたいと思いました。
「それじゃあ、まるで天国に行くみたいじゃないか」
さて、このリストを共有したときのことです。
主人は、困った顔をしました。
そして、こう言ったのです。
「それじゃあ、まるで天国に行くみたいじゃないか」
——確かに。
入院を前にして、妻から銀行口座やクレジットカードの一覧を見せられる。
そう言いたくなる気持ちは、よく分かります。
タイミングとしては、ちょっと……というのも、その通りです。
でも私は、こう答えました。
「いずれは言わないといけないことだから」
今回は、たまたま入院というきっかけがありました。
だから伝えた。
でも、きっかけがなければ、私はいつまでも先延ばしにしていたかもしれません。
そして「いつか」は、選べないこともあります。
縁起でもない、と思われるかもしれません。
でも、必要なことを何も伝えないまま先延ばしにしていると、いざというとき家族が困ることもあります。
入院をきっかけに、主人の分も作りました
今回、もう一つやったことがあります。
私の一覧を主人に共有するだけではなく、主人についても、銀行口座、クレジットカード、サブスクの3つの一覧を作りました。
私に何かあったときに主人が困るのと同じように、主人に何かあったときには、今度は私が手続きをする側になります。
今回の入院がきっかけになって、夫婦二人分の情報を一度整理することができました。
無事に、麻酔から目が覚めました

おかげさまで、手術は無事に終わりました。
麻酔から目が覚めたときは、心底ほっとしました。
そして、共有した3つのリストは、今のところ使われることなくGoogleドライブにあります。
それでいいのだと思います。
備えというのは、使わないのがいちばんいいのですから。
まずは、3つを書き出してみる
「うちも作っておいたほうがいいかしら」と思われた方へ。
完璧なものを作ろうとしなくても大丈夫です。
まずは、自分が何を持っているのかを書き出すところからで十分です。
銀行口座——利用している金融機関名と支店名。
クレジットカード——利用しているカード会社。
サブスク・定期購入——サービス名と支払い方法。
そして、書き出す過程で、
「あ、これもう使っていないな」
というものが見つかったら、整理するきっかけにもなります。
もう一つ、忘れないでいただきたいのが、一覧を一度作って終わりにしないことです。
銀行口座も、クレジットカードも、サブスクも、生活が変われば増えたり減ったりします。
私自身、遺言書を書いたあとに銀行口座が変わりました。
ときどき見直して、「今の状態」が分かるようにしておく。それも生前整理の一つだと思っています。
そして、作った一覧を家族が見られる状態にしておくこと。
私の場合は、Googleドライブのファイルを主人と共有し、主人自身のGoogleアカウントから見られる状態にしています。セキュリティ対策として、Googleアカウントには2段階認証を設定しています。
せっかく作っても、自分にしか分からない場所にしまい込んでは、いざというとき役に立ちません。
金融機関の名前などが並んだファイルですから、共有の方法やアカウントのセキュリティにも気を配っておきたいところです。
*なお、私は暗証番号やパスワードなどの重要な情報は、この一覧には記載していません。
「元気なうちに」というのは、こういうこと
終活の話をすると、よく「まだ早い」「縁起でもない」と言われます。
でも私は、今回のことであらためて思いました。
元気なうちにしかできないことがある。
そして、いつまで元気でいられるかは、誰にも分かりません。
両親の相続で私が大変だった経験から、今度は家族に同じような思いをさせたくない。
そして、主人に何かあったときには、私自身も困らないようにしておきたい。
その両方が、今回3つのリストを整理した理由です。
「まるで天国に行くみたいじゃないか」と言われても。
少し気まずくても。
一度話して、一緒に整理しておけば、それでしばらく安心できます。
「うちの場合は、何から整理したらいいんだろう」
そう思ったら、まずは身近なところから一つずつ書き出してみてください。
自分の分ができたら、今度はご夫婦やご家族の分も、一緒に確認してみるといいかもしれません。
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