両親に「相続」の話、どう切り出せばいい?

ヒバリ

両親に相続の話をしたいけれど、どう切り出せばいいのか分からなくて…


そんなご相談をよくいただきます。
お悩みの方のヒントになればと思い、ブログにしてみました。

実家に帰省したとき、ふと感じる親の変化。
背中が少し丸くなっていたり、食事の量が減っていたり。
「そろそろ準備を…」と心のどこかで思っても、いざ話題にしようとすると、やっぱりためらってしまうものですよね。


◆ いきなり“お金の話”はハードルが高い

「財産目当てだと思われたらどうしよう」
「嫌な顔をされたら…」
そう思うと、言い出せなくなってしまう方も多いです。

そんなときは、無理に「相続」の話をしなくて大丈夫。

たとえば、会話のきっかけは「介護」や「暮らしのこれから」にすると、
お金の話にも自然につながりやすくなります。


◆ 「これからの暮らし」の話を、まずしてみる

いきなり「遺言」や「相続税」の話をするのではなく、
こんな風に“未来の暮らし”に目を向けた問いかけをしてみてください。

  • 「これから、どんなふうに過ごしたいと思ってる?」
  • 「何か心配なこと、ある?」
  • 「困ったときに、誰に頼みたいと思ってる?」

“話す”より“聞く”を意識することで、
「この子と話してよかった」と思ってもらえる関係が、少しずつ築かれていきます。


◆ 話をするには、「信頼残高」も大切

どんなに正しい知識があっても、
信頼関係がなければ、大切な話はできません。

  • 日頃からこまめに連絡を取っておく
  • 顔を見に行って、小さな困りごとを手伝ってあげる
  • 親の話にしっかり耳を傾ける

そんな積み重ねが、お金や老後の話をできる“土台”になります。


◆ 「知識がない」ことが不安なら…

相続の制度は複雑で、「何をどうすればいいのか分からない」という方も多いです。

もちろん、本を読んで学ぶのもひとつの方法ですが、
相続の専門家に相談するという選択肢もあります。

無理に自分ひとりでやろうとせず、
必要なときには「頼れる人に頼る」という視点も、ぜひ持っていただけたらと思います😊


◆ 今すぐできる、ほんの小さな一歩

  • 最近どうしてる?と電話をしてみる
  • 週末に顔を見に行く予定を立てる
  • 「今、老後のことを勉強してるんだけど…」と自分の話から切り出してみる
  • ニュースや新聞をきっかけに、自然にお金の話題を出してみる

終活や相続の話は、最初の一歩がいちばん緊張するものです。

でも、「親のために、後悔しないように動こう」と思えたなら、
きっとその想いは伝わっていきます。


◆ 「財産の話」ではなく、「家族の未来を話す」

相続の話というと、
つい「お金の分け方」にばかり意識が向きがちです。

でも本当に大事なのは、
“親の気持ち”を聞き、一緒にこれからの生き方を考えること。

そんなふうに“聞く”姿勢で寄り添うことで、
「この子と話してよかった」と思ってもらえる関係が築けていきます。


◆ 最後に

相続は、“財産の分け方”を話すことではなく、
家族の未来を一緒に考えること。

ご両親にとっても、「ちゃんと気にかけてくれている」と感じてもらえる時間になるはずです。

小さなきっかけから、無理なく始めてみてくださいね。

この記事を書いた人

磯野 和恵

「ヒバリのそら」代表、磯野和恵(いそのかずえ)。

1970年5月生まれ。東京都練馬区出身の相続診断士。相続コンサルタント。

外資系IT企業の経理・秘書・コールセンター。
2009年 心理カウンセラー活動業務を経て、自身が経験した相続で生じる家族問題へのサポートを強く願う。

2021年に相続診断士の資格を取得。
2023年4月 相続コンサルティングオフィス「ヒバリのそら」を設立。
「笑顔の相続を迎えて欲しい」という願いを込め、家族全員が合意した遺言書を決める〝家族会議支援〟。

相続に強い税理士・弁護士・司法書士・不動産コンサルティング・ファイナンシャルプランナーとチーム連携して、本人の不安や困り事の相談に乗る。

本人も気づいていない想いや希望に、寄り添い引き出すヒアリング。

問題を見つけだし解決へのロードマップを示すことに定評があり、自身も天職とやりがいを感じている。

家族が笑顔で相続を乗り越え、助け支え合える関係で居続けられることを強く願い「みんなが笑顔になれる相続」へと活動する。