残暑が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
私はお盆の時期、事務処理を進めようと思っていたのですが、思いがけず面談のお申し込みが続きました。
(私はピークシーズンには仕事をして、オフシーズンに休暇を取る事にしています)
理由を伺うと「実家に帰省したら相続の話になって…」という方が数名いらっしゃいました。
きっかけは「何かが起きてから」
多くの場合、ご両親の「相続」を意識するきっかけは、
- お母さまが入院した
- お父さまが急逝した
といった出来事です。
でもその時点で準備を始めると、とても慌ただしくなります。
病床で財産のことを尋ねたり、体調がすぐれない中で遺言書を書いてもらうのは、ご本人にもご家族にも大きな負担です。
ましてや相続が発生してからでは、相続放棄や相続税申告など期限に追われることになり、心労の中で進めるのはさらに大変です。
だからこそ「事前の相続対策」をおすすめしています。

相続対策は3つのステップから
私は相続対策を次の3つのステップに分けて考えることをおすすめしています。
- 相続人の確認
- 相続財産の把握
- 遺言書や生前の準備
今回は、この中からステップ①「相続人の確認」を取り上げます。
【ステップ1】戸籍から相続人を調べるには?
相続人を調べるには、被相続人(例:お父さん)の「出生から現在までの戸籍」をすべて集める必要があります。
婚姻や転籍を繰り返していると、戸籍は何通にも分かれています。
本籍が変わっていれば、以前の役所に請求する必要があります。
ただし、2024年からは「戸籍の広域交付制度」が始まり、どこの役所でも一括で取り寄せできるようになり、ぐっと便利になりました。
実際にあったケース
戸籍を調べると、思いがけない事実が判明することがあります。たとえば…
- お父様に、前妻との間に子どもがいた
- 認知していた子どもがいた
こうした方も、もちろん“相続人”。
財産を受け取る権利があり、遺産分割協議に加わってもらう必要があります。
あなたのご家庭でも「思わぬ相続人」がいないか、一度確認してみることをおすすめします。
まとめ:相続人の確認が“安心の第一歩”
一見シンプルに見えるご家族でも、戸籍を集めて確認してみると、想定外のことがわかることも少なくありません。
もし相続人の存在を見落としたまま手続きを進めてしまうと、
「私も相続人だったのに、勝手に分けて…!」というトラブルに発展してしまうこともあります。
このような事を防ぐためにも、実際に相続が起きてから慌ただしくなるよりも、ご自身で出来る事を少しずつ進めていっていただければと思います。
直系親族であれば、お子さんがご両親の戸籍を取得する事は可能です。
無理せず、専門家に頼るという選択肢も
とはいえ、
・「自分で戸籍を集めるのは大変そう」
・「見たこともない書類で、よく分からない…」
・「忙しくて時間がとれない」
そんなときは、専門家に頼るというのも立派な選択肢です。
相続の現場では、行政書士・司法書士・税理士・弁護士など、それぞれの分野のプロが連携して対応しています。
相続コンサルタントの立場からは、
「何をどこまで、どの専門家に依頼すればいいのか?」
という整理やご相談にも対応しています。
「気軽に相談していいんですよ」とお伝えしたいです。
最後に
思わぬ落とし穴があるのが相続です。
そして、誰かが元気なうちにきちんと準備しておくことで、家族の安心と信頼を守ることができます。
相続人の確認は、まさにその第一歩。
不安な方は、一人で抱え込まず、ぜひお気軽にご相談ください。